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PCOTで海外ゲームを日本語翻訳しながら遊ぶ

PCOT翻訳で遊ぶ『バルダーズゲート3日記』【前編】空が落ちてくる

Baldur's Gate 3 『バルダーズゲート3日記』まとめその1

PCOT翻訳で遊ぶバルダーズゲート3日記インデックス

PCOT翻訳基礎知識:その英語ゲームは、今すぐ日本語で遊べる【PCOTへの誘い】

 

はじめに(長い)

2023年8月3日、3年のアーリーアクセスを終え、『バルダーズゲート3』が発売された。
正直、当初あまり興味がわかなかった。各国の言語に翻訳されているのに、なぜか日本語だけがハブられ(ま、いつものことか*1)、しかも頼みのPCOTとは、EA版を見る限り相性最悪だったからだ。

字幕文字が画面に直接出るため、背景と混ざって読み取りがむちゃくちゃ。リアルタイムな会話イベントはどんどん文字が消えて訳している暇がない。こりゃだめだ・・・と思っていたからだ。

だが、発売直前、念のためにEA版を開いて驚いた。なんと字幕のバックを暗くするオプションが増えてる!これで文字の読み取り精度が飛躍的にあがる。しかも、スライダーで暗さを変更できるので、真っ黒なウインドウにすることも可能なのだ。文字サイズも自由自在。

製品版のオプション画面

試してみると、恐ろしく読み取り精度がいい。このオプションでPCOTと相性バツグンになったのだ。とはいえ、リアルタイムで消えていくセリフには困ったが、これもショートカットをマウスボタンに割り付けておけば、ボタンひとつで次々訳せるため、なんとか読める(せわしないが)。あるいは、会話シーンは黙って見ておいてポーズが入ったところで「バックログ」をまとめて訳すことができる。
つまり、PCOTで遊ぶ環境が整ったのだ。

そこで、久々にTwitter日記を書くことに決めた。

理論上翻訳できても、実際にはめんどくさくてわかりにくくて、とてもじゃないけど実用にならんだろう・・・と思い込んでいる人はまだ多い。
だから、英語が小学生以下のぼけジジイでも、ちゃんと毎日遊んで進行している「実例」を示すことが必要だと思ったのだ。

オフィシャルに日本語になるにしても、有志翻訳が出るにしても数年かかるのがこれまでの例だったから「今すぐ遊べる」ことを示すのはとても大事なことだと考えた。

ところが、ご存知のように、ゲーム発売1週間にして無料の「日本語化MOD」が、しかも複数出るというとんでもない状況になった(EA版があったことも大きいと思われる)。DeepLを始めとする機械翻訳はここまできた。

そんなわけでTwitter日記はその存在意義を1週間で失った(笑)。攻略やゲーム自体のレビューをするつもりでやっていたわけではないので、あえて続ける意味はない。もちろん嬉しい悲鳴である。しかも日本語化MODは実用十二分の出来だ。

1週間の短命に終わったが、「発売直後の英語ゲームを、いきなり日本語で遊ぶことが可能」ということだけは示せただろうと、一応まとめページを作ることにした。

そうその英語ゲームは今すぐ日本語で遊べるのだ!

 

◆バルダーズゲート3日記 第00回 (2023.08.06)

数日以内に、性懲りもなく、Twitterゲーム日誌を始める予定。
今回はリリース直後のBG3。
これは、実況やリプレイ、攻略記事などではない。 
翻訳支援ソフトPCOTで、英語ゲームが今すぐストレスなく日本語で遊べることの実証として、ある程度の日数試してみようという試みだ。

***

これは予告編。「第0話」。
今回一回一回バナーを作り、トップにこれを持ってきて表紙代わりに。
Morrowind日誌やったときに、つくづく140文字は少なすぎると思った。だから、総合タイトル、各回のタイトル、第何回か・・・などは画像で済まそうという腹である。

オウムガイ型巨大空中戦艦に乗った、タコ人間(マインドフレイヤー)にさらわれるところから始まる。

オタマジャクシみたいな寄生虫を体内に入れられる。後に仲間になるギスヤンキが目から侵入されてる。やだやだ。これ入れられると脳みそのっとられ、身体もタコ人間に変身してしまうらしい。

で、自分が入れられる段になって、キャラメイクとなる。ちょっと腕っぷしの強いドラゴンボーン(シルバー)のローグ。誇りある戦士の末裔らしいが、こいつは貧民の出。

名前は前のMorrowindのときと同じ「Ninetails」。尻尾あります。一本だけど。この名前なので猫族を選びたかったが、D&D世界にはいないようである。 今回は爬虫類系。猫じゃないので一人称は「吾輩」ではなく「私」とする。

***

実は、ハーフエルフで始めていたのだが、この連載やると決めて、キャラを作り直して最初からやっている。そんなことばっかりやってて、ものすごく進行がのろい。

今回、予告編ということで、全体的にメタ発言になっているが・・・。
次からは、主人公一人称視点で「日記」形式で。メタ発言はこのオレンジ文字となる。

 

◆バルダーズゲート3日記 第01回 (2023.08.07)

さらわれ、寄生虫を植え付けられた「私」の運命は・・・

私の名はナインテイルズ。竜の末裔と言われるドラゴンボーンのローグだ。
目覚めると、何かの臓物の中のような、暗く湿った内装の空飛ぶ船の中にいる。
マインドフレイヤーに拉致され、何かをされた。頭が痛い。
ヌルヌルベトベトした感触の船内を探索すると、そこはおぞましいものの大博覧会である。
頭部を切り開かれて拘束されている男の脳をほじくり出すと、そいつが歩いてついてくる。そしてしきりに「船の舵を奪え」と言ってくるのだ。

同じ寄生され仲間(ツンが強め女性二人)を発見。閉じ込められているシャドウハート嬢をなんとかして救い出す。三人+脳みそで共同戦線を張ることに。

外からの攻撃で、あちこちが燃え、崩壊しつつある船内。このままでは墜落死はまぬかれない。女性陣と脳みそで即席パーティを作り操舵室を目指す。

様々な困難を排除し、雑魚敵を倒しつつ、操舵室に到着すると、我々を拉致したタコ人間が地獄の悪魔っぽいのと闘っている。
奴らを相手にせず、雑魚敵を排除しつつ、こっそり操縦桿(ベトベトの触手状キモデバイス)にたどりつく。私にはまったく理解できない操作系だが、キモデバイスを適当につなごうとすると、ドラゴンが首をつっこんできた。ヤツの炎が操舵室に溢れる。

吹き飛ばされ、バラバラになりながら、船はどこかしらに墜落していく。私も船外に放り出され落下していく。
神よ、羽なき竜の私に、翼をください

***

チュートリアルを兼ねた、プロローグ。タコ人間と悪魔は強いので、レベル1のキャラには荷が重い。かまわずに目的を果たすのが正しいようだ。

◆バルダーズゲート3日記 第02回 (2023.08.08)

タコにさらわれて脳に寄生虫入れられ、空飛ぶ船は墜落中。絶対絶命。

陽光に照らされて、目が覚める。
見回すと、さながら地獄が現出したようだ。燃える巨大な空中戦艦の残骸が延々と広がっている。火の粉のついた灰が落葉のごとく舞う。

高空に投げ出されたはずだが、なぜかまだ生きている。
地面に叩きつけられる直前、昔話で聞いた「飛行石の少女」のごとく、何らかの制動がかかったような記憶がある。神は翼を与え給うたのか。

見回すと、船内で出会ったシャドウハート嬢が倒れている。生きているようだ。見たところ怪我もしていない。
彼女も神の翼の恩恵に与ったのか。
ならば他にも生存者がいるかもしれない。

眠れる美女は口づけで起こすのが人間の伝統と聞くが、今回は遠慮した。
目覚めた彼女は、船内で助けたことを感謝しているようだ。キスしておけばよかった。
お互いの頭に寄生している、厄介なオタマジャクシのことをどうにかせねばという話になる。
だが、まずはここがどこなのかさえ判らない。武器や食料もいるだろう。敵もまだ生きているかもしれない。協力して今日を生き残るのが先決だ。
美しい瘉し手である彼女は、しかし、ずっと手放さない謎のデバイスについて何も語ろうとしない。過去も話したがらない。何か大きな闇を抱えているのが判る。
不安を感じつつも近辺の探索を始める。

生き残りの「寄生虫仲間」が次々と見つかる。
肌も髪も白い妖しげなエルフの盗賊、アスタリオン。
テレポーターにはまって抜けなくなっていた、変なおっさん魔術師のゲイル。
今、考えねばならない同一の目的のために、4人でパーティを組んで探索を進める。

この地域を、巨大すぎる船の残骸が、埋め尽くしている。
生き残った敵を掃討し、残骸から使えそうなアイテムや武器を回収。
すると、我々を拐った瀕死のタコ人間を発見した。殺すのをためらっていると、ヤツはなおも精神を操ろうとしてきたので、カッとして頭を踏み潰した。ぐちゃ。

しばらくはチュートリアル的なプロローグをやりつつ、仲間を集めていくフェーズである。
仲間になるキャラクターたちと一緒の船が、襲撃にあい破壊されて、見知らぬ土地に漂着し、仲間を集めながらそこで探索をはじめる・・・というのは、Larian Studioの前作『DIVINITY ORIGINAL SIN2
』と同じパターンだなとふと思う。導入として語りやすい構造なのだろう。
ちなみに『空が落ちてくる』は昔の曲の日本語タイトルから。

次回に続く

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PCOT翻訳基礎知識:その英語ゲームは、今すぐ日本語で遊べる【PCOTへの誘い】

*1:今回も日本のせこい腐れパブリッシャーが、PS5 用あたりで日本語版を独占しよう・・・あるいは他機種版を買わせないよう、そのコンシューマ機版発売まで、日本語があることを発表させないようLarianに圧力をかけてるんじゃないか・・・と疑っている。いつものやり口だもんね。まあ、今回根拠はないけれど(海外のPS5版の広告に一時Japaneseが入っていてすぐ消えたという状況証拠はある)。こんないじましくて、恥ずかしいことしてるの、もはやゲーム後進国に堕ちたガラパゴス日本だけだよね。おま国、おま値もそうだけど。これが、僕のゲスの勘ぐりで、実はこんなニッチなマイナーゲーム売れるわけ無いから日本語版の予定なんてない、とパブリッシャーが思ってるなら、その鈍感さはさらに恥ずかしい。