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【PCOT】新モロウインド日誌まとめ17『第五の試練2:美女と野獣』

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MorrowindをPCOTで日本語訳して遊ぶ【OpenMW】 OpenMW+PCOT翻訳を選ぶべき7つの理由

◆新モロウインド日誌day44(2024.07.10)『ザイナブ族後半:ピグマリオン

(メインQuest)

『P作戦』概要

偽テルヴァンニレディをザイナブ族長の花嫁にする鬼畜作戦。
まず、テルアルーンの奴隷市場でダンマー女性の奴隷を見つける。
着飾り、言葉使いや仕草を教え込み、立派な淑女に仕立ててテルヴァンニ女性としてザイナブ族長にあてがう。

色んな意味で酷い計画だ。

ザイナブ族の賢女の勧めるままに、テルアルーンまで飛び、奴隷市場へ。着飾った奴隷商人の後ろには木製の「鳥かご」に奴隷が入れられている。奴隷が合法なこの国では、いいご主人に買ってもらうことが即ち生き延びる術なのだ。

商人は作戦を聞き、理想的な娘がいると言った。

まずは最高級のシャツとスカート、靴が必要だという。
テルモラのお高い服屋におつかいに行くよう言われる。

初めて買う女性ものの服にとまどい、何度か品を間違えて買ってきてしまう(なんでこんなにいろいろあるんだ)。服屋の娘はさぞかし呆れただろう。船で往復してなんとか揃えた。

奴隷商が上流社会教育をしてる間に、男を惑わすテルヴァンニの香水を買いに行かされる。女性の買い物は男のそれとは次元が違うようだ。

全てが揃った時、奴隷は淑女に変身した。

この間、何度か彼女の意思と覚悟を確認した。
最初は奴隷から脱するために、仕方なくこの作戦を承諾したと思われる「我が麗しのレディ」は、やがてこの冒険にむしろ心踊らせ、結婚を楽しみにするようになった。なかなかたくましい。日に日に美しくなっていくのは、服や香水だけの効果ではあるまい。

ザイナブキャンプまで細心の注意でエスコートしていく。

緊張の中の対面。両者ともがお互いをひと目で気に入ったようだ。この婚姻に大いに満足している。

こうして吾輩はザイナブ・ネレヴァリンとなった。
族長は「私はそれほどバカじゃない。騙されたことは知ってるぞ。でも十分幸せだ」とニヤリと笑って言った。

言わずもがなだが、このクエストは『マイ・フェア・レディ』フォーマットの換骨奪胎だと思われる。このフォーマットは『プリティ・ウーマン』やら『舞妓はレディ』やらいろいろ使われてるよね。その大元が『ピグマリオン』という戯曲らしい。

◆新モロウインド日誌day45(2024.07.11)『エラベニムスン族:野獣死すべし

(メインQuest)

遂に第五の試練もラストにこぎつけた。
ザイナブからさらに南下して着いたエラベニムスンキャンプは、以前来た時も、暴力と略奪と差別がモットーの族長とその取り巻きのために、不穏な空気を醸し出していた。

村の賢女に会う。もはや族長の暴虐は限界を超えており、村の外への戦争行為、村民への暴力や殺人も頻繁らしい。恐怖と暴力のみで支配している奴らを倒さねば、一族の未来はないと言う。
ましてやよそ者憎しの彼らが、吾輩をネレヴァリンとして認めることなどあり得ないだろう。

族長のユルトに乗り込み、一応話を通そうとする。

だが、話は打ち切られ、問答無用で襲いかかってくるから是非もない。
こういう言葉の通じないケダモノは、なんの葛藤もなくただ処理すればいいから余計なことを考えなくて楽でいい。
ただ、斬って斬って斬りまくる。

斬られて踊る族長の舞。

なかなか華麗だ。

はい、死んだ。

族長の金魚のフン。

死んじゃった。

族長も取り巻きも凄まじい強さだから用心しろ、と賢女から注意を受けていたが、カタナを数回斬り下ろすだけで簡単に八つ裂きになっていく。弱いな、お前ら。

別のユルトの取り巻きたち。

計四人が血と肉と臓物のミンチとなって床とユルトの内側全部に飛び散った。
暴力で得た権力は、さらに上の暴力の前には何の意味もなくなる。

さて、族長がいなくなってしまったので、吾輩を推薦してくれる人を探さねばならない。
新たな族長候補はいるが、自信もやる気も見られない。
偉大な指導者だった親の名がプレッシャーで、どうも卑屈になってるようだ。まあ、吾輩もコミュ障だから、気持ちはよく判るが。

賢女が吾輩に説得をするよう促す。うへぇ。

殺した連中が持っていた一族のシンボル的アイテムを、血と肉片の間から拾ってきて、それを見せつつ、柄にもなく説教し、鼓舞する。

やがて責任に目覚めた彼は、族長就任にうなずき、吾輩をエラベニムスン・ネレヴァリンとして認めた。
いや、こっちの都合で悪いね。

遂に第四、第五の試練を終えた。全ダンマーに救世主ネレヴァリンであると認められたのだ。結構長かったし、しんどかった。

さあウルシラクの賢女のもとに戻ろう。

野獣死すべし(The Beast Must Die)』はあまりに多くのタイトルの引用例やパロディがあってパブリックドメインみたいになってるが、もとはニコラス・ブレイク本格ミステリのタイトル。日記の第一部では僕自身が「ネクロマンサー死すべし」なんてタイトルに使ってた(完全に忘れてた)。*1

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*1:この小説についてはもちろん知っていたし、法月倫太郎の『頼子のために』がこの作品の本歌取りなことも聞いていた。しかし、その邦題の激しい響きから、なんとなく犯罪小説やノワールの暴力的なイメージが強く、手に取ってこなかった。大藪春彦がタイトルをそのまんまいただいた小説(映画にもなった)がそんなイメージだったので、余計にそう思い込んだ。でもこれ、江戸川乱歩が日本語タイトルを訳したという由緒正しい謎解きミステリらしい。内容もちゃんと名探偵が出てくるようなタイプのものだと、恥ずかしながらこの度再認識して、今ちょうど読んでいるところ。確かにこの時代にこの構成は驚く。