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Bluesky/Twitter連載後の、DLC『Tribunal』の最終決戦とその後についてのネタバレがあります。はしょっていますが、第二部のときと違い、本質をあまりぼかさずストレートにバラしてます。ご注意ください。今更だとは思いますが。
1◆戦いが終わり嵐が去る
最後の戦いが終わり、ソーサシル神の作った時計じかけの街――クロックワークシティからアーティファクトでテレポートすると、モーンホールドの神殿に着く。侍従長に経緯を説明するが信じようとはせず、吾輩の頭がおかしくなったのだと言う。まあ、今はそういうことにしておこうか。
神殿から出ると、相変わらず灰嵐が吹き荒れている。その時、ダゴスウルと戦った後と同じように、旧神アズラが半透明な姿で眼前に現れた。
彼女は吾輩を称え、プレゼントだと言って吹き荒れる灰嵐を止めた。
振り返ると神殿の上にも青空が広がっている。
現人神トリビュナルの時代が終わりを迎えつつある。
本編に続き、DLCもラストバトルが終了。ぱちぱちぱち。今回もブログ特別編として、フラッシュバックでラストを回想で綴りたいと思う。
さて『終わりに見た街』というタイトルは、つい先日(2024/9/21)ドラマが放送されたからご存知かもしれない。昨年亡くなった稀代の脚本家山田太一の作品で、過去に二度ドラマ化されていて、視聴し衝撃を受けた。だが今回のはまだ観ていない。脚色したというクドカンとはどうも相性が悪くて食指が動かなかったのだ。まだTVerでやってるようだから観ておかなきゃなー。(続く)
2◆クロックワークシティで見たもの(回想)
アルマレクシアによってテレポートさせられたクロックワークシティ。もうひとりの現人神であるソーサシルの隠れ住む異世界である。機械仕掛けの街というだけあり、巨大なギアがまわり、様々な罠が仕掛けられ、神によって作られた機械と生き物が入り混じった怪物がうろつく世界だ。
ソーサシルは人に絶望した引きこもりということだが、それがよくわかる雰囲気の迷宮だ。天井から火花のようなものが常に降り注いでいる。
怪物以外誰もいない、ギアと機械が回る音だけが聞こえる。ドウェマーの遺跡とは雰囲気が違っている。
大掛かりな機械仕掛けの罠がいくつも待ち構えている。ひとつひとつクリアしながら先を目指す。巨大な機械仕掛けの鋼鉄巨神が護る扉がある。恐ろしい怪力で吾輩を粉砕しに来るが、なんとか撃退。おそらくこの先にソーサシルがいるのだろう。
すっかり狂って人間に絶望し世界に怪物を送り込んできた・・・とアルマレクシアが主張する神だ。
だが、その部屋はひっそりとして動くものがない。
部屋の中央に鎖につながれてぶら下がっている誰かの死体があるだけだ。
人間ではない。これは明らかに・・・神の死体だ。この迷宮の主、ソーサシルだ。
誰かが先にここに来た。そしてソーサシルを亡き者にした。
そんなことができるのはおそらく一人しかいない。だが、なぜだ。
急いで部屋を出ようとするが、眼の前にこつ然と現れた人影。それはやはり・・・
変な仮面をつけたアルマレクシアである。ダゴスウルも変な仮面つけてたっけ。
どうやら本当に狂気に蝕まれていたのは彼女のほうらしい。人間にも神の権力にもまったく無関心になったソーサシルを殺し、吾輩も殺し、果てはヴィヴェクも殺して、唯一絶対神になることを望んだのだ。
この狂気はどこから芽吹いたものなのか。長い間に沈殿した狂気の澱が溢れたのか、ダゴスウル討伐の余波でトリビュナルの力が衰えつつあることへの焦りが産んだのか。
トゥルーフレイムと対になる剣を彼女はふりかざす。強烈な魔法と剣の力であっという間に吾輩の命は風前の灯火だ。これは例の「アルマレクシアの手」と戦った時よりもひどいかもしれない。瞬殺されそうだ。だがあの時に買った「チート薬」が懐に残っているのを思い出した。
猛烈な魔法攻撃の間隙をついて薬を飲み干す。知性ゼロのバーサーカー状態になり、意識がとんでいく・・・。
意識が戻ってくると、眼の前に女神の死体が転がっている。
吾輩はついに神殺しとなったのだ。ソーサシルではなく、アルマレクシアの。
フラグは立ちまくっていたから、これはまあ、意外な展開ではないだろう。
それにしても強すぎて手も足も出なくて、またチート薬の助けを借りることになってしまった。このDLC強いやつが出すぎ。日誌では省略したが、無限に寸借詐欺をしてくる奴の無心を断ったら、その後なぜかものすごく強くなって(なにしろ攻撃が一発もあたらない!)恨み言とともに殺しに来るなんてイベントもあった。その時もチート薬がなければどうにもならなかった。
3◆王への報告
神殿と女神についての決着がついたので、一応ヘルセス王のもとへ。
王としてはもっとも目障りな女神が死んだのだから、うはうは状態であろう。ロイヤルガードのフルプレートアーマーを一式もらうが、こんな重いの着て歩けません。
感謝してるなら、もう吾輩にちょっかいかけないでいただきたい。
(承前)山田太一といえば、その名前を知ったのはもう40年以上前に偶然に見たNHKの土曜ドラマ『男たちの旅路』であった。ドラマに興味がなかった僕がなぜそれを見たのか覚えていない。だがそれはその後の人生の見方を変えるぐらいの強烈な体験であった。何年後かにNHKの大河ドラマで初の原作なしのオリジナルシナリオである『獅子の時代』を発表し、これも猛烈なインパクトを残した。他の大河とは二味違うよ。レジェンドと呼ばれるにふさわしい脚本家だった。昨年海外で翻案映画化された『異人たちとの夏』『ふぞろいの林檎たち』など他にも様々な代表作があるが、やはり僕には『男たちの旅路』と『獅子の時代』の人だ。そして『終わりに見た街』も。
4◆ヴィヴェクと話す
ヴァーデンフェル島にもどり、ソーサシルとアルマレクシアの死について、トリビュナルの最後の生き残りであるヴィヴェクに話した。
彼は「そうか、とても悲しいよ。まさかこんな時代が来るとは。ダゴスウルを倒したときから、我々の力が失われていくのは必然だった。アルマレクシアは内に籠もり悩むタイプだったからね。どこかで天秤が急激に狂気の側に傾いたんだろう。いつか私も命を狙われるんじゃないかと心配していた。私も徐々に神の力を失い、死んでいく。これからますます大変な時代になる。君の責任はさらに重くなるだろうな」
他人事みたいに言うなぁ!
(承前)『男たちの旅路』はNHKオンデマンドで見ることができるが、最高傑作と名高い第四部の『車輪の一歩』が見られない。第四部~スペシャルには、あの清水健太郎が出てるせいじゃないかと思われる ( ´Д`)。そんな奴のせいで人類の至宝が世に出ないとは悲劇だ。
この話はバリアフリーなどまだ誰も口にしなかった時代に、身障者問題を真正面にとりあげたエピソード。そういう社会問題は説教臭いしドラマにそんなの求めてない…と思われるかもしれないし、僕も普通ならそう思ってしまう。実際、社会問題を毎回とりあげて死ぬほど説教臭いドラマなのだが(笑)、むしろそれこそが売り。それを圧倒的なエンタテインメントにして「もっと社会問題について説教してくれ!」と思わされるぐらいの面白さなのだ。だからこそ伝説なのである。
5◆エピローグ/雨のバルモラ
久々にホームタウンであるバルモラに帰ってきた。
雨に煙る街を懐かしく見る。
トリビュナル三神の時代は終わろうとしている。例の終末カルトの予言はあたりつつあるのだろう。次は地獄のゲートが開き、モロウィンドが、いや世界が、デイドラの襲来を受けると言っていた。この世界は滅びへのファイナルカウントダウンを刻んでいる。
今見ている景色が明日見られる保証はどこにもないのだ。
(第三部了)
ホントは第四部として次のDLC『ブラッドムーン』をやりたいところだが、さすがにちょっと飽きてきたので(笑)、またいつかその気になったらということで。本編にもいっぱいクエスト残ってるしなあ・・・。このいつまでもだらだらやれる感(やる気になれる感)もモロウィンドが「本物のオープンワールドRPG」である証であろう。
さて、前回第二部のときの『ベルデアボリカ』に続き、オマエ本当は『男たちの旅路』について話したいだけだろうと言われそうだが、その通りです。
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