はてなブログを開設したのは、前回とりあげた改造フォント画像を、置いておく場所を作るだけのつもりだったのだが *1、ブログにひとつしか記事がないというのは、なんか気持ち悪い。前回にちょっと触れた「Avadon2のテキストウィンドウ背景画像で誤読がおきる問題」をとりあげてもう少し深堀りし、「画像に手を入れるなんてなんてめんどくさいことしたくねー!」という、まるで僕のように怠惰な人のために、改造した画像(各G128.png)も置いておこうと思う。
-目次-
〈テキスト表示ウインドウ改造について〉
【概要】*2
日本語翻訳支援ソフトPCOTで、Spiderweb Software Inc.(以下SW社)のRPGを、翻訳しながら遊ぶ場合に、OCRの誤読を防ぐためのフォント改造を前回行った。
ただ、誤読の原因は他にも存在する。ゲーム本編で殆どのメッセージが表示されるテキストウインドウ背景の、大理石風の模様が、文字と混じって誤動作を起こすのだ(『Avadon2』に顕著)。
この大理石風の「壁紙」が使われたウインドウも、実は普通のPNG画像一枚(G128.png)であり、画像編集ソフトで簡単な画像処理をするだけで、誤読の心配は減少する。同社の代表作『Avernumシリーズ』『Avadonシリーズ』用の改変画像を紹介する(win版)。
【テキスト表示ウインドウ改造の実際】
上の画像はAvadon2のテキストウィンドウ壁紙画像(G128.png)の一部(左)。大理石に入った白い筋状の模様が文字に混じって誤読を起こす。そこでPhotoshopなどの画像処理ソフトでウインドウ枠の中を選択して、そこを暗めの色(Avernumシリーズだと白地だから、逆に白っぽい色)で全体を塗りつぶすなり、「明るさ・コントラスト」メニューで調整して、大理石模様が目立たないようにすればいい。単に、黒い四角を描いて埋めちゃうという雑な方法もある。簡単なので、数分でさっくりできるだろう。
右側画像は、実際に僕がゲームをやるときに使っていたウインドウ。ほとんどブラシで真っ黒というかダークグレイに塗ってしまっている。 *3
この記事では、もうちょっと手加減して、もとの大理石テイストもすこーし残す方針で、掲載している。オリジンへのリスペクトは大事ですから。 *4
〈各ゲームのテキスト表示ウィンドウ画像〉
【Avadon: The Black Fortress】
[使い方]
- 上の画像を右クリックしてダウンロードし、G128.pngにリネームする。
- ゲームフォルダの中にある「Graphics Core」フォルダ内のオリジナルのG128.pngをバックアップした上、先程ダウンした画像をそこにコピー。 *5
『Avadon : The Black Fortress』ならAvadon→Avadon Files→Graphics Core。 - ゲームを起動し、テキストウィンドウが表示できることを確認
Avadon一作目のテキスト表示部は、もともとあまり模様が目立たないので、それほど心配いらないと思うが、念の為「明度とコントラスト」を調整したものを作ってみた。
【Avadon 2: The Corruption】
[使い方]
- 上の画像を右クリックしてダウンロードし、G128.pngにリネームする。
- ゲームフォルダの中にある「Graphics Core」フォルダ内のオリジナルのG128.pngをバックアップした上、先程ダウンした画像をそこにコピー。 *6
『Avadon 2: The Corruption』ならAvadon2→Avadon 2 Files→Graphics Core。 - ゲームを起動し、テキストウィンドウが表示できることを確認
はい、今回の誤読問題のもとになったゲーム。他のゲームはまあ「念の為」レベルだが、これだけは、テキストウィンドウ画像を変更することを強くお勧めしたい。 *7
今回は「明度とコントラスト」を調整して、模様がかろうじて見えるぐらいのものを作った。こんななら、いっそ真っ黒に塗ったほうが潔いかもしれないが。
【Avadon 3: The Warborn】
Avadonトリロジー完結編。このゲームのテキスト背景壁紙はほぼ真っ黒で、わざわざ改造の必要はないと思われる。
【Avernum : Escape From the Pit】※リメイク版
[使い方]
- 上の画像を右クリックしてダウンロードし、G128.pngにリネームする。
- ゲームフォルダの中にある「Avernum Graphics Core」フォルダ内のオリジナルのG128.pngをバックアップした上、先程ダウンした画像をそこにコピー。 *8
『Avernum : Escape From the Pit』の場合Avernum - Escape From The Pit→Avernum Files→Avernum Graphics Core。 - ゲームを起動し、テキストウィンドウが表示できることを確認
実は、Avernum一作目では、壁紙の模様自体よりも、壁紙が「少し透過」しているために、ゲーム画面がうっすら透けて見えることのほうが問題かもしれない。ゲーム画面の明暗によっては、透けた画像が読み取りを阻害する可能性があるからだ。といっても、うっすらだから、変えなくてもほぼ大丈夫だと思うんだけど。保険、保険。
- 明度とコントラストを調整して、大理石模様をかろうじて見えるぐらいに薄く。
- 窓枠付近のシャドウもなるべく文字にかからないように、ブラシで調整。
- 不透明度が高い色を載せたレイヤーを重ねて、ゲーム画面の透過を抑えた。
【Avernum 2: Crystal Souls】※リメイク版
[使い方]
- 上の画像を右クリックしてダウンロードし、G128.pngにリネームする。
- ゲームフォルダの中にある「Avernum2 Graphics Core」フォルダ内のオリジナルのG128.pngをバックアップした上、先程ダウンした画像をそこにコピー。 *9
『Avernum 2 - Crystal Souls』の場合、Avernum 2 - Crystal Souls→Avernum2 Files→Avernum2 Graphics Core。 - ゲームを起動し、テキストウィンドウが表示できることを確認
『Avernum2』のテキストウィンドウは透過もしないし、あまりきつい模様もないのであえて取り替えなくても大丈夫だと思うが、念の為、少し明るくしたりコントラストを弱めてみた。
ここだけの話、この画像『Avernum1』に入れてもちゃんと使える。 *10
このすっきりしたデザインと色使いのウインドウが好きだ。
【Avernum 3: Ruined World】※リメイク版
このゲームの背景画像は古紙っぽくて模様や影があまり入ってないため、わざわざ画像をいじる必要はないと思われる。
【Avernum 6】※旧版(4~6はリメイクされていない)
[使い方]
- 上の画像を右クリックしてダウンロードし、G128.pngにリネームする。
- ゲームフォルダの中にある「Graphics Core」フォルダ内のオリジナルのG128.pngをバックアップした上、先程ダウンした画像をそこにコピー。 *11
『Avernum 6』ならAvernum 6→Avernum6 Files→Graphics Core。 - ゲームを起動し、テキストウィンドウが表示できることを確認
Avernumのセカンドトリロジーのラストを飾るこのゲームで、現在のSW社のRPGの基本的システムが完成したと思われる。とはいえ、グラフィック面では、いろいろ違っているが。
テキストウィンドウに表示される大理石風の模様はそれほど濃くはないが、リメイク版の『1』と同じく(むしろ『1』より強く)、後ろのゲーム画面が透過しているのが、気になるところ。
リメイク版と違い、表示されるフォントが、最も小さいものなので、安全策をとっておきたい。(改造フォント放り込んでおけば行間問題は解決する)。
そこで、透過しにくいスクエアを描いたレイヤーを重ね、うっすらと透けるぐらいにした。大理石風模様もコントラストを抑えた。
【おまけ:Avernum6のポートレイト画をかえる】
SW社の「Graphics Coreフォルダ」には、文字通りいろいろとコアな画像がむき出しで詰まっていて面白い。その気になれば、自分の好きなようにデコレーションしたり、キャラを変えたりもできる。ロゴやウォールペーパー画像なんかも入ってる。 *12
中にはネタバレになるイラストもあるので注意せねばならないが。
『Avernum6』は、システム的にはほぼ現在のSW社のものに近づいている(だから、改造フォントファイルもそのまま使える)。ただ、一部のグラフィックはいかにもインディーっぽい素人くさいものも使われてたりする。
一番気になるのが、ゲーム中常に表示されている、各冒険者の肖像画(ポートレイト)である。
具体的に言うとG222.png~G244.pngあたりの画だ。
これを、別のフォルダにでもしまっておいて、かわりに『Avernum 3: Ruined World』のポートレイト(G220.png~G243.pngあたり)を放り込む。 *13
すると、リメイク版の魅力的なポートレイトが使える。ゲーム画面上は、リメイク版とあまり差異がなくなり、戦うモチベーションもぐんとあがるだろう。 *14
さて、僕が持っている『6』は、GOG版であり、ここまでそれを触りながら、書いてきた。
ところが、記事を書いているうちに、Steamの『6』のストアページでは、リメイク版のポートレイト画が使われていることに気がついた。ごまかしている、詐欺だ!と思ったけど、もしかするとsteamで今販売してるのは、ポートレイトを入れ替えているバージョンかもしれないと思いついた。なんとなくもやもや。
・・・・なんだか気になって仕方ないので、たった今、Steam版の『6』を導入してみた。ワンコインで一流RPGが、一瞬で買えてしまうなんて、なんという世の中。
で、まさかと思ったが、本当にSteam版は、リメイクされたポートレイト画にすげかえてあった。ええええ。ひどいよ。
僕の買ったGOG版は、旧版一式がまとめてあるバンドル版だったことを思い出す。だから、中が全部オリジンの古いままだったのだ。
他にも内容を変えてある画像があるかもしれないので、これから旧版を買う人はSteam版のほうがいいかもしれない。いや、オリジンの絵「も」楽しめるという意味ではGOG版も捨てがたいのかなぁ(めちゃくちゃ安いし)。だって『6』やろうなんていう人は、当然リメイク版をもってるだろうから、そこから移植すればいいもんね。 *15
ちなみに旧バージョンは、『5』まではウインドウモードで開けないため、PCOTがそのまま使えない。強制的にウインドウモードで開ける外部ソフト(DxWndなど)の力を借りればできるかもしれない(未確認)。フォントやテキスト表示ウインドウなどの構造がおそらく違うので(全部BMP画像だし)改造できるかどうかもわからない。
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-脚注-
*1:だったらNoteにでもあげればいいんじゃね?と言われそうだ。僕もそう思ってアカウントを作ってみたのだが、Noteで背景を黒くする方法がわかんなかった。先日の、改造フォント画像は、透過の地に白い文字のため、ページが白い背景だとほとんど見えなくなる。文字のシャドウ部分が、ゴミのように白い背景に浮かんでいるしょぼい状態なのだ。背景を黒くする手っ取り早い安易な手段を探したら、ブログという結論に。とはいえ、スマホで見ると強制的に白背景にされるので、とても間が抜けて見える。本当にNoteでは全体の背景色を変えられないのか、確信はないが、調べるのも面倒なのでスルーした。事程左様に僕はずぼらで怠惰な人間である。
*2:前回と同様、ここでは『PCOT』や『DeepL』『Spiderweb Software Inc.』『OCR』『Steam』『GOG』『日本語翻訳しながら遊ぶ海外ゲーム』などについて、ある程度知り、使っていることを前提に話を進めていく。
*3:本当はここまでしなくていいが、面倒だったので(また出たこのセリフ)、カッとなってやった。まあ、簡単確実な方法ではある。
*4:黒地に白抜き文字になる『Avadon』シリーズは、背景画像の影響を受けやすく、白地に黒い文字の『Avernum』シリーズはそんなに影響が出ない可能性が高い。
*5:ゲームフォルダ自体のありかは環境によって変わるので探す。結構深いところにある。うちのsteamの場合はI:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\commonに各ゲームフォルダあり。GOGだとI:\Program Files (x86)\GOG Galaxy\Games。
*6:ゲームフォルダ自体のありかは環境によって変わるので探す。結構深いところにある。うちのsteamの場合はI:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\commonに各ゲームフォルダあり。GOGだとI:\Program Files (x86)\GOG Galaxy\Games。
*7:僕もゲーム中に誤読に悩まされてるうちに、このG128.pngを発見。画像を黒く塗って進めることができた。
*8:ゲームフォルダ自体のありかは環境によって変わるので探す。結構深いところにある。うちのsteamの場合はI:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\commonに各ゲームフォルダあり。GOGだとI:\Program Files (x86)\GOG Galaxy\Games。
*9:ゲームフォルダ自体のありかは環境によって変わるので探す。結構深いところにある。うちのsteamの場合はI:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\commonに各ゲームフォルダあり。GOGだとI:\Program Files (x86)\GOG Galaxy\Games。
*10:ジャーナル画面でちょっとメニュー表示がずれるが、問題ないレベル。
*11:ゲームフォルダ自体のありかは環境によって変わるので探す。結構深いところにある。うちのsteamの場合はI:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\commonに各ゲームフォルダあり。GOGだとI:\Program Files (x86)\GOG Galaxy\Games。
*12:今回のブログの先頭の画像はそれらを組み合わせて作った。秘密ね。
*13:別に『1』や『2』でもいいが、猫男やトカゲ男など、先に進むほど数が揃っている。
*14:グラフィックのクオリティはRPGの本質とは関係ないと思ってる僕だが、ポートレイト画のクオリティは気にしてしまう。不朽の名作にしてマイフェイバリット『バルダーズ・ゲート2』の唯一のウィークポイントが、ポートレイト画像の魅力のなさだった。ツールを使って取り替えが自在にできたから良かったものの、そうでなければモチベを保てなかったんじゃないかと、心配になるほどだ。ちなみに僕が取り替えたのは同じD&Dをもとにし、共通システムを持つ「いとこ」ゲーム、『アイスウインド・デイル』のポートレイト。これは最強というか、今でも僕の一番のお気に入り画像であり、他のゲームでもポートレイトを変えられる場合全部これにしているほど。
*15:Steam版『6』のポートレイト画のファイルナンバーは、リメイク版『3』のものとはちょっとずれてたり増減してるようです。いろいろややこしー