【Avernum日本語化プレイ】PCOTで日本語化しつつ遊ぶアヴェルナム体験日誌まとめ
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●Morrowind日記[第三部]まとめ ●Spiderwebsoftware Inc.
◆アヴェルナム放浪記13(2024.11.06)『その女ゼメラ』
その部屋に入ったとき、ネフィリムの捕虜となった哀れな人間の若い女性がいるのだと思った。
凶悪な武装した猫どもに囲まれながら、美しい黄金シルクのローブを纏った彼女は、それほど儚げで可憐に見えたのだ。
「私はゼメラ。お前たちは私の家に侵入し、持ち物を盗み、下僕を殺した。なぜここに来たのか、お前たちを滅ぼす前に知りたいところだ」
意外なことに彼女が凶悪な猫どものボスであった。この部屋にいるのは彼女の親衛隊のネフィリムなのだろう。
地下に囚われていた捕虜がゼメラに心酔していた理由がなんとなく想像できた。
猫どもは、すぐに飛びかかりそうに一歩前に出たがゼメラが手で制した。
吾輩は首飾りを示し「これを返してもらえと市長に言われたんだ」。
「おや、馬鹿な神官から取り戻してくれたのか?それは私と部下が苦労して奪ったものだ。我々に所有権があるのに、神の名を騙る坊主どもが持っていったのだ」
ゼメラは我々と少し話をする気になったようだ。
「私は地上で魔法の才能に目覚め、それを貪欲に欲した。帝国の目を逃れたネフィリムのシャーマンを見つけ、知識を吸収した」
吾輩のことをちらりと見て
「お前も帝国の目を盗んで隠れ住んでたクチだろう。野心を持つものは帝国に疎まれる。やがて見つかり、アヴェルナムに落とされた。帝国が恐れる強者がいる場所だと思っていたけど、ここも私の才能を活かすにはものたりなかった」
周りのネフィリムたちが待つのに焦れたように唸り声をあげた。
「アヴェルナムを彷徨い、私の力と魔法を活かしてくれる人間を探した。だが誰も満足させてくれなかったよ。ネフィリムどもに襲われたとき、奴らの半分を殺し、残りの慈悲を乞うやつらを従えた。やつらの最大の氏族に紹介され、地位と力を手に入れたんだ」
そろそろ、おしゃべりにも飽きてきた様子が見える。
「お前たちと話しても、もう何も得るものはなさそうだ。首飾りをもらおう」
ネフィリム親衛隊が一斉に襲いかかってくる。だがもはや奴らは我々の敵ではない。
ゼメラの魔法をかいくぐり、彼女の身体に刃を突き立てる。
「まさか…私が…」。
信じられないという響きのつぶやきが、美しい造形の唇から漏れる。
ゼメラは絶命した。
彼女の私室を探り、日記を読むと、彼女が猫氏族の間で、どうのしあがったのかが詳しく書いてあった。
若い才能が失われるのは哀しいことだが、自らが招いた結果だ。
地下室の捕虜に声をかけると、ゼメラが死んだのならネフィリムに殺されてしまうと泡を食って逃げ出した。少々恨みがましい目で見ていた気がする。
我々は要塞を後にした。
▲ゼメラの間
SNSでの掲載時、この回の画像はぱっとしなかった。ゼメラが黄金のシルクのローブを着ているという描写もぬかしていて、なんかすごく地味だった(彼女はたぶんアヴェルナムで一番美しい悪女ヒロインと設定されていると思う)。で、まとめにする際にAIに描き直してもらったら、今回は結構良さげな絵を描いてくれたため調子に乗って全面的に画像も文章も差し替えた。この日誌では、画像の彩度を極限まで落とす事が多いが、今回は控えめにしている。普段戦闘は「薙ぎ払った」とかの一文ですませるのに、断末魔の表情や亡骸の絵まである。
ゼメラのエピソードは、実はメインのクエストには間接的にしか関わってないし、ラスボスっぽいのになんなら飛ばしてもいいものだ。だが、彼女の境遇や立ち位置は明らかにゲーム作者の語る物語として、かなり詳細に設定されている。物語に厚みを与える役割は大きい。
[AI画像NGギャラリー]
ゼメラの断末魔を描いてもらおうとしたら・・・
なんかB級ホラー映画ののり。ラストの絵はエロいサイコキラーものっぽい。まあ、採用したのもあんまり変わりませんが。
◆アヴェルナム放浪記14(2024.11.07)『剣と魔法の日々』
市長に首飾りを渡し、猫要塞の報告をする。彼女は喜び、報酬と南部回廊にある城への通行パスをくれた。
次の大きな目標は城で王と会うことのようだ。
さらに知っておくべきこととして、この町の地下を調べれば興味深いものが見つかると言う。秘密めかしていたがいったいなんなのだろう。
猫要塞で自分たちの力のなさ(特に魔法)を痛感した。
金を稼がねばならない。スキルを伸ばすためのトレーニングをし、魔法を充実させ、装備を揃えねば、先に進むことなどかなわない。
以前チェックしたフォルメロの掲示板の仕事をひとつひとつこなしていく。
シルヴァで依頼された温泉探しなんてのもあったな。
掲示板依頼の最初は、フォルメロの外で目撃されたオーガ退治。巨大な鬼の眷属だがなんとか撃退。
歯ごたえがあったのは、アヴェルナム入植が始まる前からあったと思われる太古の地下墓地の謎の解明。ここを探索しようとすると死ぬまで閉じ込められるという。神殿の巫女さんがこれ以上被害者を出さないためにヒミツを探ってほしいらしい。無数に現れるゾンビやグールを始末しながらヒミツを探る。彫像のヒントから隠し部屋をさぐりあて、無事脱出した。
オーガとは別の場所で目撃された巨人の駆除。巨体から繰り出される剛力と体力。ヒーリングとバフでなんとか乗り切る。
その他、違う町への届け物など、あらゆる依頼を積極的に行い経験を積み資金を稼ぐ。
東部でまだ行っていなかった町や砦にも足を伸ばす。
そんな中、地下下水道の巨大ネズミ退治の依頼で、毒鼠を相手にしているうちに、秘密通路があるのを発見した。
市長が「この町の地下をさぐると面白いことがある」と言っていたのを思い出す。
少なくともネズミ共の相手は全然「面白く」ないので、この通路の先に何かがあるのだろうか。
門番の凶悪トカゲを倒すと、地下とは思えない豪華な作りの扉が待っていた。
ひとつひとつのダンジョンやミッション中に、細かなイベントや手がかりが次々と与えられるのがアヴェルナムの特徴だ。次に起きることへの伏線が、あちこちに細かに張り巡らされている。それらの細部の積み重ね描写が物語の厚みやコクになっていく。なので、こんな風にイベントをざっと紹介するだけでは、このゲームの独自性や面白みがまったく伝わらないよなぁと、とても歯がゆい思いもしている。猫要塞だけでも泣く泣く省いたイベントや描写が山のようにあったのだ。この断片を積み重ねてできる発酵にも似た濃密な表現こそがオープンワールドのストーリーテリングなのだと思わされる。
[AI画像NGギャラリー]
市長にネックレスを返すところを描いてもらいたかったのに、なぜか普通の猫にネックレスを渡す人々。日本には「猫に小判」ということわざがある。市長の玉座に猫が座ってる絵もよく描かれる。まわりの人々まで・・・。
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