【SKALD日本語化プレイ】PCOTで翻訳しつつ遊ぶスカルド日誌
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◆アウトブレイク
突然広まりだした疫病患者は農場主の家の一室に隔離されているらしい。
疫病患者の施設に入ると、灰色の髭を生やした聖職者が、思案顔で両手の血を拭っている。床には病気を発症した患者が、苦しみの声とともに寝かされている。
「思ったより悪いんですか? 」同じ僧侶のドリーナが尋ねる。
ドラールと名乗った大神官は身を乗り出し、声をひそめて言った。
「何らかの未知の感染症が蔓延していて、今のところ呪文でも調合薬でも治すことができない。実のところ、私は途方に暮れている」。
彼の声には必死さがにじみ出ている。
「もし治療法を見つけられなければ、この流行でこのキャンプの皆が全員死んでしまうかもしれない。なのに、どこから手を付けていいのか皆目見当もつかないのだ・・・」
焦りを通りこして、もはや諦めさえ感じられる。
「少し前に、ハンナという女が疫病に倒れた息子を連れて私のところにやってきた。何らかの民間療法を試してくれと懇願された時、私は・・・私は彼女を叱りつけたのだ。愚か者だと。帝国医学こそが勝つと!だが、今となっては彼女の言うことを聞くべきだったと後悔している。彼女は宿営地を離れたが、ここから南にある小さな小屋にいると思う。頼む、私の代わりに彼女を探し出し、話を聞いてやってくれ!」
◆ハンナ
難民キャンプの南のはずれに、ハンナのいる小屋はあった。
やつれた若い女性が、病気の子供を腕に抱きかかえ、前後に揺れている。母親が必死になだめる中、子供は痛みに弱々しく泣き言を漏らす。
「あなたがハンナですか?ドラール神官に聞いてきました」
女は目を大きく見開き
「何の用です?もう手遅れよ。アリンが病気で薬が必要なのに」
「薬?この疫病に効く薬があると?」
「もしマザーカタックに会えれば薬をもらえると、ここの女性たちは言っています」
「マザーカタックって誰ですか?医者?」
「大昔からずっと薬を調合してくれている老女がいるの。島の奥深い森に住んでいるんだけど、うちの子を置いていくわけにもいかないし・・・でもあなたなら行けるんじゃないかしら? ハンナがよこしたと言えば、アリンを治すために何が必要か、きっと分かってくれるわ!」
「ドリイナどう思う?」
ドリイナは子供の手と額に触れ、口の中を調べる。
「私には手に負えないわ」
彼女は低い声で言う。
「ドラールが正しいようね。もし本当にマザーカタックが治療法を持っている可能性があるなら、訪ねてみる価値はあるわ」
◆ディープフォレスト
難民キャンプから北東方面は森林地帯が続く。植生も変わり、ジャングルにいるかのような錯覚を覚える。
虫の羽音やヒキガエルの鳴き声がする以外、森は不安になるほど静かだ。高い樹木が生い茂り、見通しがきかない。北東には煙突から立ち上るかすかな煙が見える。
霧が濃い。日が陰ると真っ暗になり、少し先も見通すことができない。
目の前の茂みから、突然一人の若い男が飛び出してきた。木こりの少年のようだ。
「た、助けて! 父が連れ去られたんだ!俺たちが材木置き場で作業してたら、奴らがいきなり飛び出してきやがったんだ!親父が斧で向かって行った。『坊主、逃げろ!』って。でも、奴らが親父を捕まえて森に引きずり込むのを見たんだ!」
「いったいどんな奴が連れて行ったんだ?」
「あいつら草むらに隠れてて、よく見えなかった。でも猟犬みたいに大きくて、恐ろしい目だけが光ってたんだ!お願いだ、探しに行ってくれ!母さんが死んでから、親父しか残ってないんだ!」
◆スパイダーウェブ
少年と父親が木を伐採していたキャンプから少し東に行くと、剣呑な雰囲気の洞窟がある。クモの糸が周辺にかけられ、霧がまとわりつき、雫が垂れて幻想的な景色を作っている。
洞窟内は、網が張り巡らされ、巨大グモが何頭も襲いかかってくる。


ひときわ巨大なクモを倒す。
その大きなホールのような部屋ではクモの糸でできた繭のようなカタマリが壁に貼り付けられている。卵嚢か?いや、食うためにぐるぐる巻きにした獲物かもしれない・・・その時、ひとつの“繭”がもぞもぞと動き出し、ギョッとする。
何かうめき声が中から聞こえる。ナイフで切り裂くと、中から木こりの父親らしき男が這い出してきた。
「ありがとう。こんな奴ら今まで見たことないんだが・・・。カタック婆さん?森の北東に庵がある。巨大な樹が家から生えてるから、見間違えようもないよ」
このクモ洞窟はメインクエストとはあまり関係ないサブクエストなのだが、端折らず入れることにした。僕がクモ好きなことはアヴェルナム日誌で書いた通りである。
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