CRPGを楽しむためのメモ

PCOTで海外ゲームを日本語翻訳しながら遊ぶ

無料『Geneforge1』は、今すぐ日本語で遊べる

"Geneforge1-Mutagen" Spiderweb Software Inc.

昨日アクセスログを何気なく見たら、突然、普段の20~30倍以上の人がこのブログを訪れていてびっくりした。開設以来、通常はゼロか、来ても数人という過疎ブログだからだ。
どうやら、Epicで、Spiderweb Software Inc.の『Geneforge1-Mutagen』が無料開放されたため(2022.07.08.まで)、Googleで「geneforge 日本語化」を検索した結果、ここにたどりつかれたと推察。皆さん、はじめまして。

だが、いきなりこのブログに来ても、内容がニッチすぎて、なに書かれてるかさっぱりわからず、「なんだ、日本語化情報じゃないのか」と、がっかりしてページを閉じた方も多いのではないかと、申し訳無くてオロオロし、慌ててこの記事を書いている。

ここに来たあなたは間違っていません。
英語ゲーム『Geneforge1』は日本語で、今すぐに遊べるのです。やったー。

 

【英語ゲームGeneforgeを日本語で遊ぶQ&A】

ここからは、Q&A形式で、そのアウトラインだけでも、急いで書いていきます。

 

Q:『Geneforge1-Mutagen』は英語ソフトなのか?日本語化されてるのか?

A:英語ゲームで、日本語化はされてません。定評ある名作ゲームであるにもかかわらず、おそらくこれからも日本語化はされないでしょう。それはクオリティの問題ではなく、システムや日本的なあれこれの事情です。
でも、今すぐ、日本語で遊べます

 

Q:日本語化されてないのに日本語で遊べるって意味不明なんだが。

A:今やPC上では、英語を同時翻訳しながら、ゲームが出来る時代になりました。いわゆる機械翻訳しながらストレスなく遊べるのです。

 

Q:機械翻訳!? ハッ、使えねえ~ヽ( ´▽`)ノ

A:「機械翻訳=使えない」というテンプレートな思い込みは、もはや過去のものです。特に一昨年あたりから話題になっているドイツの翻訳エンジン『DeepL』は非常にこなれた翻訳文章を生み、実は人間が中に入ってるんじゃないかと思うくらいです(ちょっと盛ってます)。

 

Q:大げさでは?そんなに完璧な翻訳ができるのか?

A:完璧か?と問われれば、あちこちトンチキなところや、誤読するところや、男言葉と女言葉がぐちゃぐちゃなところや、すっとばす箇所なんかもある、とお答えします。


でも、テキストメインの大長編RPGを、ほぼストレスなく遊ぶぐらいの精度は持っています。英語力は、近頃の小学生以下の当方ですが、100時間規模のSpiderweb社のゲームを、5本ほどコンプリートしました。
「これまで行ったことのない異世界で冒険するのに、言葉がカタコトなのはむしろリアル!」ぐらいに考えれば、十分楽しめるレベルといえます。

 

Q:具体的に、翻訳しながら遊ぶには何が必要なのか?

A:ゲーム画面のグラフィック文字を読み取り、翻訳エンジンに渡すためのツールがあります。
それが翻訳支援ツールPCOTです

ぬるっぽ氏のサイトでダウンロードできます。ゲーム翻訳に特化しているため、他の翻訳ツールにない特殊な機能をたくさん持っていますが、『Geneforge1』をはじめとするSpiderweb社のゲームのように、テキスト表示領域が固定されているゲームの場合、いちいち翻訳範囲を指定しなくても、ショートカット一発で次々と翻訳できるのが、最高に楽ちんで快適です。

 

Q:PCOT以外に必要なものは何?

実は、PCOTはデフォルトで、OCR機能とそれをGoogle翻訳と連携する機能を持っているので、ゲームと『PCOT』さえあれば(ネット環境も必要)、一応遊べます。
でも、上記した『DeepL』を連携させたり、『Windows10 OCR』(Win10ならば標準で使える)などがあると、翻訳の快適さが格段に違うので(特にDeepLは必須)、準備しておくといいと思われます。*1

あと、PCOTはウインドウモードのゲームでしか使えませんのでご注意ください。
詳しくはPCOTのサイトやマニュアルを御覧ください。導入手順の解説サイトや動画も多数紹介されています。

実際のゲーム画面を、PCOTで翻訳しているところ。
右半分の上がPCOTの画面。Google翻訳した文章が少し見える。その下がDeepLの画面。意味の通る日本語になっているのがおわかりだろうか。完全とはいえない機械翻訳を、お互い補完することができるのだ。
ショートカットひとつで、なんのわずらわしさもなく、長文を次々と訳していけるのはPCOTならではの機能である。ショートカットをマウスボタンに割り付けるとさらに楽。なにも考えず、ボタンひとつで次々に翻訳できて、快適だ。
Q:お高いんでしょう?

A:これらのツールや翻訳エンジンは、すべて無料で使えます。
今回の『Geneforge1』のようにゲーム代も無料ならば、一銭も使わずにゲームが出来るというわけですね。

Q:でもなぁ。なーんか、面倒くさそう。

A:僕はかねがね「人として問題あるんじゃないか」と言われるぐらいのめんどくさがりです。でも英語のゲームがやりたくて仕方ありませんでした。
PCOTが出る前、ゲームの翻訳といえば『Capture2text』というツールが有名でした。これを知ったとき「やっと英語ゲームが出来る!」と歓喜しました。
でも、1時間ほどいじって、放り出しました。めんどくさかったのです。

  1. 翻訳エンジンがGoogle翻訳で(そのころは?)全然こなれてなくて、日本語として、長文の意味を汲み取るのが難しかった。
  2. 翻訳する箇所を、毎回毎回、範囲指定しなければならず、くそ面倒で我慢できなかった。大量のテキストを読むゲームでは、腱鞘炎になりそう。

今でも定番のツールですから、これで遊んでいる人もいっぱいいらっしゃるはず。なのに僕は1時間で放り出しました。くそ野郎ですね。ゲームに対する情熱が薄いのかもしれません。
でも、そんなダメ人間でも、PCOTとDeepLを知って、一気に夢中になり、大量のテキストを「読む」Spiderweb社のゲームを嬉々としてやっています。
ゲーム翻訳に特化したツールとして、極力面倒くささを省いて、楽しいことだけ享受できるのがPCOTの凄さです。

 

Q:ぶっちゃけ、Geneforge1はPCOTで問題なく遊べる?

驚くほど快適に遊べるでしょう。
いや、実際のところ僕自身は、まだこのゲームを、チュートリアルまでしかやっていません(他のゲームやってて手をつけられてない)。しかし、Spiderweb社のゲームは、シンプルなシステムがほぼ共通で、それらはPCOTとの相性が抜群です。文章は平易で端正であり、機械翻訳にかけても、とても素直な訳文になります。その経験から、快適に遊べると断言できます。

同社のゲームは、初期には行間が狭すぎて、前後の行の文字が重なってOCRが誤読することがありましたが(このブログに載っている「誤読防止フォント」はそうならないようにフォントを改造したものです)*2、昨年発表された最新作である「Geneforge1(リメイク版)」*3では、行間が広がっており、そのままでもほとんど(行間問題による)誤読を起こしません。
それでも非常にまれに、行間問題で誤読がおきることがあるので、このブログに、改造フォントも用意しています。簡単に入れ替え可能です。

 

Q:Geneforge以外の英語ゲームも遊べるってこと?

もちろん。
特にリアルタイム性がなく、文字が端正で、テキスト表示位置がほぼ固定され、平易な文章のSpiderweb社のゲームはどれも抜群の相性といえます。
ゲームのシステムやテキスト表示の仕方によって、あまり向いてないゲームもたくさんありますが、『PCOT対応ゲームWiki』を参照すれば、他にも相性のいい「今日から始められる」ゲームがいろいろ探せます。

w.atwiki.jp

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【日本語同時翻訳でゲームを遊ぶ際の誤読防止関連リンク】

 ●【PCOT】Spiderweb社のRPGを、日本語で快適に遊ぶためのフォント
 ●【PCOT】OCRが誤読しない背景壁紙『Avernum』『Avadon』
 ●【PCOT】『Queen's Wish』の誤読防止フォント
 ●【PCOT】『Geneforge』の誤読防止フォント
 ●【PCOT】『Avernum』の”より良い”誤読防止フォント
 ●【PCOT】『Avadon』の”より良い”誤読防止フォント
 ●【PCOT】『Geneforge5』(旧版)の誤読防止フォント

 

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-脚注-

*1:詳しい導入方法などは、こちらの動画などが判り易いかと 

*2:『行間狭すぎ問題』とは:Spiderweb Softwareのゲームは、最近作を除き、「行間狭すぎ問題」が発生することがある。フォント自体はトラディショナルで、OCR読み取りに問題がないのだが、行間が狭すぎるため、何行にも渡る長い英文の場合、前後の行の文字がつながって重なり、誤読されることがまれにあるのだ。具体的には小文字のg,j,p,q,yなどの標準よりかなり下にはみ出している文字と、上に背の高い文字(小文字のb,d,f,h,i,j,k,lや大文字全般、記号!,?など)の一部が重なることがある。それを何らかの大きな一文字と誤読し、おかしなところで行替えが行われて、単語の順がメチャクチャに読み取られてしまう。結果、意味不明な文字化け翻訳文章が現出することがあるのだ。これが起きないように、フォントファイル(PNG画像)をいじって、行間が狭くても、重なりが起きないように改造するのが「誤読防止改造フォント」の骨子である。

*3:今回Epicで無料配布されているのはリメイク版です